Pinhole (2006)


2006年暮れ、日本のHeavy Rock バンドBorisの作品を多くリリースするInoxia Recordsより、ひっそりとリリースされたRolloの1stアルバム。
発表時メンバーの写真は疎か、名前の表記すらないアノニマスなギターデュオとしてリリースされ、プロデューサーであるAtsuo(Boris)の変名プロジェクトだと勘違いするリスナーが続出した。
メンバーは近年サウンドプロデューサーとして幾何学模様やSatomimagae、森脇ひとみ等、Guruguru Brainのアーティストを手掛けているHideki UrawaとRyo Takemuraによるギターデュオで、レコーディング時は美大で映画を学ぶ21歳の学生であった。
セルフレコーディングによるローファイなサウンドはピンホールカメラで撮影された写真の様にどことなく輪郭がボケた淡い描写となっている。
クレジット表記のないアノニマスな作品提示は、骨董市やフリーマーケットに並ぶブランドタグの無い服や家具との出逢いのような物語性を願ったものだったのかもしれない。
Duo期の本作品は映画を学んでいた当時の二人の資質とも相まった、架空のサウンドトラック集とも言える作品となっている。
Rollo
2005年 ギターデュオとして活動開始、1st Albumリリース後ソロへ移行。
アンビエントからエコーにまみれた轟音ノイズ、囁く様に爪弾かれるアコースティックに漂う映像的なサウンドは、ミュージシャンを中心に評価が高く、近年はRolloの活動と並行してサウンドプロデューサー、ミックスエンジニアとして幾何学模様のアルバムに本名(Hideki Urawa)で参加。
一聴してRolloだとわかるサイケデリックなプロダクションで、同バンドメンバーが運営するオランダのレコードレーベル、Gurugurubrainの諸作品でその手腕を発揮している。
