Plethroa Notched Lapel Single Breasted Coat

Stovaighは雰囲気としてのモードとアルチザンというバランスや、デザインの効かせ方と見せ方のバランスなど、どの作品も絶妙な塩梅をついてきます。

一見するとクラシックなテーラーで仕立てた綺麗目なコートのような雰囲気に見えるこの作品も、よく見ればやはりこのブランドらしいバランス感覚で仕上げてあります。

厚みのあるウールにライニングもしっかりついているので、季節的には冬向け。

しっかり暖かく冬を乗り切れるコートだと思います。

ラペルは上から覆い被せたような立体的な仕様。

四角いポケットの上にあるフェイクポケットにも見える部分は、一度生地をカットして裏から同じ生地を貼り合わせてあります。

拡大して見てみます。

貼り合わせた部分、ポケット共に斜めに走る細かなピッチのストライプを柄合わせしている芸の細かさ。

色んなところで小技を入れてくるStovaighからすれば、このくらいのことは特筆する必要もないのかもしれないと思うほど、サラッと当たり前にこなしてくる。

また、今期のStovaighではいくつかの作品で採用されている、こちらも独自仕様の"Lie Down Cut"という肩周りのパターン。

一見すると単にアクセントとしてのデザインかと思いがちの後ろのクロス部分。

通常の服に見られる肩線を後ろにずらし、前見頃を首裏まで延長することで正面からは肩線が見えずミニマルで美しい見た目になるように考案されたパターン。

単純な言い方をすれば、前から後ろに繋がっている。

パッと見ただけでは分からない非常に分かりにくい部分ですが、誰に見せびらかすでもないところに拘るからこその贅沢さや、美学があるように思います。

裏地の背中側はフルライニングの上から背抜きのライニングを重ねたような作り、ライニングの素材はヴィンテージのシルク。

胸元には左右に斜めの切り口のポケット。

全体的にはクラシックなデザインだからこそ、飽きが来ない、服装の嗜好が変わってもどんな服にも合わせていける懐の深さもある。

それでいてしっかりとブランドの色も見える。

長く付き合っていく冬用コートをお探しの方には是非おすすめの作品です。

181cmの私は、StovaighのコートはMサイズ、もしくはSサイズでも着用可能。

基本的には少しオーバーサイズ気味なので、ご自身のお手持ちのアイテムとサイズ比較をしていただければと思いますが、サイズに不安がある方はメールよりお気軽にご相談ください。

Material: 50% Undyed Wool, 50% Dyed Wool, 100% Silk Lining, Corozo Buttons

ルックブックモデル身長189cm / 着用サイズ XL